果樹を育てる話をするときは結構な頻度でこの話をするのだけど、言葉を知らなかったので思い出したこのタイミングでまとめた。
果樹には自家受粉できるものとできないものがある
自家受粉できるとは、同じ株の花で受粉できること。つまり、自家受粉ができないということは、1本では実が成らないということになる(例外あり)。庭に植えるような場合では、スペースに限りがあるので、これによって果樹の選択を変える場合もでてくるだろう。まれにしかないのであればあまり気にしないのだけど、果樹には自家受粉できないものは結構多いので、 知らないものであれば育てる前に調べないといけない。
自家受粉できないケースにはどんな例があるか
雌花が咲く株と雄花が咲く株が異なる(雌雄異株)
もっともわかりやすいのがこれ。雌花しか咲かない木と雄花しか咲かない木では、1本だけで成らないのは想像しやすいと思う。 例としては、キウイがある。雄の花と雌の花のタイミングが異なる(雌雄異熟)
同じ株の花で受精できる特性を持っていても、タイミングがズレている種類がある。 例としては、アボカドやクルミがある。同一品種では受粉しにくい特性(自家不和合性)がある
わかりにくいのがこれで、同じ株の花の花粉が、同じ株についても受精が避けられる仕組みになっている種類がある。 例としては、梨や栗がある。同じような意味で自家(不)結実性という語も使われている。果物に関しては、自家結実性と呼ぶことが 多いようなので、これで調べるのが一番調べやすいと思う。
自家結実性について注意すべきポイント
品種のレベルで異なる場合がある
やっかいなことに、果物のレベルで必ず同じかというとそうでもなく、自家結実性のある品種とそうでない品種があったりする。しやすい/しにくいという1/0でないことがある
必ずしも「1本では絶対に無理」のデジタルな話ではなく、「1本では成りにくい」ということもある。 特に気にせず植えている場合で「他と比べるとウチの木はなんか成らないなぁ」というケースでは 自家不結実性の話を疑ってもいいかもしれない。受粉しなくても実になることがある(単為結果)
先に「例外あり」と書いたのは、 花が咲いて受粉して、というプロセスでない形で実になるケースがある。わかりやすいのがイチジク。参考になるページ
もっと詳しく知りたい場合は、他の情報元を見てほしい。参考になりそうだったページをいくつか紹介する。基礎から覚える 果樹の受粉マニュアル | 種・苗・球根・ガーデニング用品・農業資材の通販サイト【タキイネット通販】
自家結実性のほかにも、カキやクリなど著名な果物の育て方が図入りでわかりやすく書いてある。
果樹の自家結実性について:4月の栽培ガイド
果樹の種類が多く書いてあるのでざっと把握したいとき向きに。
自家受粉と他家受粉
今回の話。一番分類が読みやすかった。
雌雄異熟(5)
アボカドとクルミの雌雄異熟の特性について詳しく書いてある。興味があれば。